6月支給の給与計算時に定額減税(月次減税)を行う対象となる人は、誰ですか?
― M社 ―
M社総務経理部まいと顧問税理士が、打ち合わせをしています。
弊社の決算もようやく終わりがみえてきたので、そろそろ定額減税の準備をしなきゃいけないんですけど、やる気が起きないんですよね……。
そうですね。
6月1日以後支給の給与の源泉徴収税額から控除する、月次減税事務を行う必要がありますから、そろそろ準備しないと間に合いませんね。
まずは、控除対象者の確認でしょうか。
うーん……。
とりあえず全員控除しておく、ではダメですかね?
それはちょっと乱暴ですね。
一応、マル扶(扶養控除等申告書)を提出している居住者であって、6月1日現在御社に在籍している方であることが、対象者となる要件ですから。
マル扶を提出しているということは、源泉徴収税額を計算するときの「甲」欄適用者ということですか?
ご理解のとおりです。
「給与所得の源泉徴収税額表」の「甲」欄適用者です。
ですから、「乙」や「丙」欄適用者は、対象から外れます。
6月1日現在在籍、ということは、6月支給分が弊社の最終給与となる5月退職者は、対象から外れるということですか?
そうです。
ご理解のとおりです。
6月2日以降、御社に入社された方も月次減税の対象から外れますね。
まあ、そうですよね……。
控除する定額減税額(月次減税額)は、本人分だけではダメですかね?
マル扶の情報で扶養する家族、細かい言い方ですと、居住者である同一生計配偶者や扶養親族が確認できる場合には、月次減税額を計算するにあたって、1人あたり3万円に乗ずる数に含める必要がありますから、ご家族の確認は必要ですね。
マル扶以外の申告書(源泉徴収に係る定額減税のための申告書)で、扶養する家族の情報を提出されたら、そちらでも確認しなければなりませんし。
「甲」欄適用者ならば、「扶養親族等の数」ではダメなんですか?
非居住者や16歳未満の扶養親族の取扱い、障害者や寡婦等の場合の数の加算有無など、今回の「数」と「甲」欄の「扶養親族等の数」では違いがあるので、「扶養親族等の数」をそのまま利用することはできないですね。
えぇーっ!
もう、もう、もう、もうっ!!
落ち着いてください。
いや、これ落ち着いてられないですよ。
なんでこんな面倒なことを……。
年末調整のときに一斉に控除する、ではダメなんですか。
そうですね。
現状では、年末調整時に行う年調減税事務で一斉に、というような宥恕措置は出ていません。
月次減税事務を粛々とやっていくしかありませんね。
はぁ〜。
……まずは、控除対象者の確認から、ですね。
おっしゃるとおりです。
「甲」欄、ね……。
給与情報からデータをダウンロードしようかな。
頑張ってください。
先生、他人事!
いえいえ、他人事ではありません。
私たちも大変なんですよ。苦笑
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